水守響呼は、妖怪や幽霊の姿を見ることが出来る不思議な力の持主だ。 その日、住み慣れたアパートは崩壊して失い、「竜宮ホテル」へと移り住むこととなる。執筆一筋で人と関わる事もなく、その目に見える世界をも否定しながら生きてきた響呼であったが「竜宮ホテル」での生活で人やそうでない者たちと自然と触れ合い、少しずつ変わっていく。 書下し新作「旅の猫 風の翼」を収録。
きっと素敵なホテルなんだろうなぁとタイトルを見ただけでそう思ったのですが、やっぱりこんなホテルがあるなら住みたい!と思いました^^
不思議な力を左目に宿す水守響呼は住んでいたビルが倒壊し、偶然出会った出版社の編集者の紹介で「竜宮ホテル」に住むことになる。響呼は母と2人で生きてきたがその母は眠り続けており、父親ももういない。ずっと独りきりで生きてきた。でも、猫耳と尻尾を持つひなぎくと出会い、竜宮ホテルに住むことでたくさんの人と関わることになります。それは妖怪だったり幽霊だったり未来人(!)だったり^^そして高校時代の旧友にも。私は周りを不幸にするというけど、寅彦の言う通り偶然で、響呼は周りを幸せにする人というのが相応しいのではないかと思いました。読み終えた後心が温かくなりました。こちらのシリーズはあと2冊あるようなので読むのが楽しみです。
<徳間書店 2013.5>2024.2.5読了