――あいしてるってなんですか?
かつて自分に愛を教え、与えようとしてくれた、大切な人。会いたくても会えない。永遠に。手を離してしまった、大切な大切な人。
代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。
幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。
──心から、愛してる。
人々に深い傷を負わせた戦争が終結して数年。新しい技術の開発によって生活は変わり、人々は前を向いて進んでいこうとしていた。しかし、ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていることを信じ、ただ彼を想う日々を過ごす。
──親愛なるギルベルト少佐。また今日も少佐のことを思い出してしまいました。
ヴァイオレットの強い願いは、静かに夜の闇に溶けていく。
ギルベルトの母親の月命日に、ヴァイオレットは彼の代わりを担うかのように花を手向けていた。ある日、彼の兄・ディートフリート大佐と鉢合わせる。ディートフリートは、ギルベルトのことはもう忘れるべきだと訴えるが、ヴァイオレットはまっすぐ答えるだけだった。「忘れることは、できません」と。
そんな折、ヴァイオレットへ依頼の電話がかかってくる。依頼人はユリスという少年。一方、郵便社の倉庫で一通の宛先不明の手紙が見つかり……。
完結編である映画を見ました。特別編集盤ではありますが、本編を見てからこちらを見ることが出来て良かったです。アニメ版だけを見ていたら、ギルベルト少佐が亡くなったままで、ヴァイオレットが独り立ちをして一人の人として生きていく形で終わった方が綺麗なのかなと思いました。でもやっぱり、ヴァイオレットには心の底から幸せになってほしい。だからギルベルト少佐が生きていて、2人で幸せに生きていく。その形で大団円で終わって本当に良かったと思います。良かった。ずっともどかしかったけど(笑)
今回の作品に関しては中盤からずっと涙が止まらなくて困りました。冒頭に登場した建物を見てここは…!と思ったし登場した家族を見てあのちっちゃな子の家族…!と感動しましたし。そして始めのユリスのお話とヴァイオレットのことが、こんな風に交差するとは思わなくて、もう切なくて。ユリスは始めはわがままで生意気な少年だと思っていたけど、家族思いの本当に優しい子で。ヴァイオレットの代わりに来たアイリスに、愛してるを教えてくれた人に会えたんだ。良かった。とつぶやいていて、なんていい子なんだろう…!とそこでも泣きました^^;
ギルベルトが生きていることが分かり、逢いに行ったのに会えないというギルベルトにこっちはイライラしましたけど(笑)ドールとして働いてきたからこそ会いたくないというギルベルトの気持ちが分かり、ギルベルトあての手紙を残して帰る決意をする。
ヴァイオレットを武器扱いしたギルベルトの兄が最後に良いことするじゃないか…←
最後に必死に走ってヴァイオレットの元へ向かうギルベルト。そうだよね、会いたかったよねって思って泣くし、ヴァイオレットが何年も逢いたいと待ち焦がれていた人を目の前にして何も言えなくなって子どものように泣いている姿に泣き(笑)後半はずっと一緒になって泣いていました。ヴァイオレットとギルベルトが2人でどんな生活をしていたのか実際に全く描かれていないから想像しかできないけど、きっと2人で幸せに暮らしているのだろうなと思えるラストで良かったです。このシリーズを見ることが出来て幸せでした。