契約社員の野花つぐみは、お菓子レシピが隠された『小公女』の古書を見つける。それは不思議な老女・メアリさんの遺品だった。「ぶどうパン」「トライフル」「アブラミのお菓子」……つぐみの本探しと菓子作りはやがて、簡単にやり直せない過去を抱えた人々との優しい縁を結び始める。じんわり涙がこぼれる6つの連作集。
「ホテルのはな」の常連でかつての経営者の祖母と仲の良かったメアリさんが亡くなった。彼女はたくさんの物語を遺し、中に物語のモチーフとなるレシピが書かれていた。
私が読んだことがある物語は最後の「秘密の花園」だけでしたが^^;たくさんの英国児童文学を改めて知ることが出来て良かったです。つぐみがメアリさんのことを知りたいとレシピを作り始め、本とレシピをきっかけに人が繋がっていくところがとても好きでした。
つぐみがそのレシピとお菓子作りを通して自らの生き方を考え始めるところも良かった。そしてつぐみと蒼の関係も好きです。
これを機に登場した物語を読みたくなりました。
<新潮社 2023.10>2024.1.26読了