冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。
婚約者である大福亜子と同居中で、幸せをかみしめている。
猫がらみの脅迫事件の依頼を受けて調査中、未成年者略取の疑いをかけられて留置場に!
当番弁護士の、「透明人間」こと沢村透明以外との面会を断り、事件については黙秘を貫く百瀬。
警察から連絡ももらえず蚊帳の外に置かれた亜子は、百瀬を信じ切れるのか。
振り切った亜子がとった行動とは。
沢村透明のもとに武者修行に出ていた縁から一緒に百瀬のために奔走する直は、そのなかで自らの進む道を見つける。
七重と野呂は相変わらずの賑やかさで百瀬を信じ、支え、事務所を守っている。
猫弁シリーズです。一体何冊目になったんでしょうか。長いシリーズになりましたね。
百瀬と亜子は婚約者のままだけど一緒に住むようになりました。2人ともとても幸せそうで、読んでいるこちらも優しい気持ちになります。それにしても今回は百瀬が未成年者略取の疑いで逮捕されて一筋縄ではいかない展開になりました。どうなるんだろうと読んでいる方がドキドキしましたが、百瀬は相変わらずで。どこまで優しいまっすぐな人なんだろうと思いました。
そして1か月間実家に帰っていると思っていた亜子は2人の住む家にずっと独りで待っていて。婚約は解消しましょうと言われると思っていたところの亜子の言葉にこちらも泣きそうになりました。そして亜子のお父さんの言葉もとても素敵。百瀬は周りに恵まれましたね。本人の人徳だと思いますが。本当に2人には幸せになってほしいと心から思います。
<講談社 2023.9>2024.1.22読了