3・11の大津波に耐え、岩手県・陸前高田でたった一本だけ生き残った樹齢260年以上とされる「奇跡の一本松」に、92歳のやなせさんは「ヒョロ松」と名付け、自分自身を重ねています。
喪失と絶望の繰り返しだった92年の人生は、まさしくこの老木のように孤絶であったとやなせさんは振り返ります。
やなせさんが50年前に作詞し、その後大ヒットとなった『手のひらを太陽に』をはじめ、『それいけ!アンパンマン』、そして『陸前高田の松の木』と、やなせさんが一貫して歌に託してきたメッセージは、挫けずに生き抜くことの尊さにほかなりません。それは悲しみに暮れる弱者への、祈りにも似た魂の応援歌でもあります。
『アンパンマン』『やさしいライオン』……数々の名作を生み、大人も子どもも魅了してやまないやなせさんが、波乱万丈の人生から紡いだ生きるヒントをあますところなく伝えます。
先日プロファイラーでやなせさんが特集されていて、引用されている著作が気になって手に取りました。タイトルが気になったのですが、やなせさんが書かれた詩の一部だったんですね。東日本大震災の時にアンパンマンのマーチが話題になったこと覚えています。私も生きているのが辛い時、この曲を聴いて泣いたこともあります。
やなせさんご自身が様々な経験をされたことでこの歌詞が生まれたんですよね。
やなせさんがおっしゃる「運鈍根」「うどんこ」を私も意識して生活していきたいと思います。
他の著作も読んでいこうと思います。
<小学館 2011.9>2024.1.13読了