「日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展」公式図録。特別支援学校の教員時代の手作り教材、人形劇、家族のデッサン、「だるまさん」シリーズ幻のラフや、アイデアノートまで、そのすべてを一挙公開。
私がかがくいひろしさんの作品を知ったのは、10数年前、某市の図書館で非常勤職員として働いていた時のことでした。読み聞かせの当番が当たっていて何の本を選んでいいか分からないと悩んでいたら、職場の先輩が「良い本があるよ」と教えてくれたのが「なつのおとずれ」でした。とにかく絵が可愛くて、文章もとても可愛くて、そこからかがくいさんの作品を読むようになりました。そして同時に、すでに亡くなられていることを知り、もう新しい作品は出ないんだと凄くがっかりした記憶があります。
月日が流れ、甥っ子が生まれた時、出産祝いでプレゼントしたのがだるまさんシリーズ。少し大きくなった2歳くらいの時「だ・る・ま・さ・ん・が」と読み始めると、テーブルに手を置いてお尻を振り振りしていたのを思い出します(笑)あれは可愛かった…
この本を読んで、かがくいさんは人として素晴らしい方だったんだなと思うと同時に、どうしてそんな方が50代の若さで亡くならなければならないんだ…と哀しくなったりもしました。
未完となったたくさんのイラストが散りばめられていて、最後のぼたもちのお話なんて最高すぎます。おもわずぷぷっと笑ってしまいました。
そしてかがくいさんと関わった方々がコメントを書かれていましたが、娘さんの文章がとても素敵で、お父様を尊敬していたことがうかがえました。そして最後の奥様の文章。涙が出ました。そして2人のツーショットがとてもとても可愛い。素敵なご夫婦だったんだなってなんだか温かい気持ちになりました。
これからもかがくいさんの絵本を大切に読んでいきたいです。
<ブロンズ新社 2023.7>2023.12.16読了