花咲家の人々 (徳間文庫)
村山早紀
徳間書店
2014-05-23


風早の街で戦前から続く老舗の花屋「千草苑」。経営者一族の花咲家は、先祖代々植物と会話ができる魔法のような力を持っている。
併設されたカフェで働く美人の長姉、茉莉亜。能力の存在は認めるも現実主義な次姉、りら子。魔法は使えないけれども読書好きで夢見がちな末弟、桂。三人はそれぞれに悩みつつも周囲の優しさに包まれ成長していく。
心にぬくもりが芽生える新シリーズの開幕!

風早の町に住む、不思議な力を持った家族のお話です。
長女の茉莉亜、次女のりら子、末っ子の桂。それぞれの物語が描かれています。こちらの家族は皆さんが名前に植物が入っていて素敵です。私は北海道に住んでいるので、りら子ちゃんの名前に1番反応しました。幼稚園の時、ライラック組だったし!←
茉莉亜の10年前の後悔、りら子が出会った夏の怪盗、桂が勇気を出して救った子猫とお兄さん。どのお話もとても素敵で、それと同時にどうしてお母さんは此処にいないんだろうと切なくもなりました。だから、最後の章は感動して涙を流しながら読みました。少しの間だけだったかもしれないけど、最高のクリスマスプレゼントでした。少し早いけど、雪が降ってきた今読めて良かったかも。
こちらはシリーズもののようなので、人と植物の架け橋である花咲家の皆様が、これからどんな物語を描いていくのか、とても楽しみです。

<徳間書店 2012.12>2023.11.23読了