1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、裕福な家庭で育ち将来を期待されていた青年の変死体が発見された。容疑をかけられたのは、‟ザリガニが鳴く”と言われる湿地帯でたったひとり育った、無垢な少女カイア。彼女は6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、花、草木、魚、鳥など、湿地の自然から生きる術を学び、ひとりで生き抜いてきた。そんな彼女の世界に迷い込んだ、心優しきひとりの青年。彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める…。
原作を読んで映画を見たいと思っていました。ようやく見れました。
W座からの招待状の枠で見たので、小山さんと信濃さんのトークがありました。小山さんは原作を読んでいなくて、信濃さんは原作を読んで映画を見ていて。
信濃さんがおっしゃるように原作を読んでいると、原作をたどるような形で映画は展開していって、まるで答え合わせをしているかのようだったんですよね。とても忠実で何も違和感を感じませんでした。だから、何も知らないで観た方が新鮮だと思うとおっしゃっていましたが、私個人としては読んでから見て良かったです。長編が2時間ちょっとにまとまっているので、収まりきらなかった登場人物たちの機微を理解しながら見れた気がするので。ジャンピンとメイベルがどれだけカイアのことを気にかけてくれていたかとか、カイアがどんな思いで長い間一人で暮らしてきたのかとか、バックボーンが分かる状態で見れて良かったと思います。私は鈍いので何も知らないで見ていたらもしかしたら最後の衝撃的シーンに気づかないまま2人の解説を聞いてそういうこと?って思ったかもしれない^^;
信濃さんがおっしゃっていましたが、大人になってからのカイアも素敵でしたが、少女の頃のカイアもひたむきで一生懸命で好きでした。あまり人と関わってこなかったからこそ、弁護人を務めてくれた人が過去に自分に優しい言葉をかけてくれたこともちゃんと覚えていたんですよね。
カイアがしたことは、動物的に考えると納得が出来るんですよね。決してしてはいけないことだけど、それでも自然の摂理から考えると自分の身を護るためにしたこと。そう考えるとなんだかしっくりきます。頭で思い浮かべていた物語が、映像として見ることが出来て良かったです。