一度だけ、4分33秒の間に人生の後悔をやり直すことができる《時守》の能力によって、親友の月子を事故死から救った陽葵。
しかし、彼女が過去を変えたことで新たな犠牲者が生まれてしまう。
陽葵は�猖盻��瓩涼藕陲貿悗い董▲�ラスメートの千歳と2度目の「やり直し」を試みるが――。
――忘れないで。一番大切な時間は「今」だって。
親友の月子を救ったことで生まれたばかりの赤ん坊を死なせてしまった陽葵。同じ時守であることが分かった千歳と共に再び「やり直し」を試みる。
やり直しを試みてもうまくいくかどうかは分からない。また新たに犠牲者が生まれてしまう場合もある。それでも陽葵たちは救いたい。
それだけ時を戻すこと、未来を変えることは代償を払うものなのだということなんですよね。時守の成長が止まってしまうことも同様で。
あの時ああしていればと思う人はたくさんいる。そしてやり直しをして上手くいく場合も行かない場合もある。これは辛い運命です。
それでも陽葵はそれをきっかけにして確執のあった母親や妹とちゃんと向き合うようになります。芯の強いいい子なんだなということが分かります。
これからどんな展開になって行くのか、楽しみです。
＜文藝春秋 ２０２３．７＞２０２３．１０．２４読了
