家の声が聞こえるという力を持つ遠野守人は、月光荘二階をイベントスペースとしてオープンした後、管理人として慌ただしい日々を過ごしていた。
そんな折、月光荘オーナーの島田から「社会人としての門出を祝おう」と狭山市の古民家を改修した蕎麦懐石店「とんからり」に誘われる。
大学の恩師・木谷と三人で店を訪ねた守人を待っていたのは、自分が目指すべき道へとつながっていく、不思議な音との出会いだった。
大切な過去、つながる縁、そして未来。感動のシリーズ完結!
シリーズが完結しました。寂しいですね。
こちらの作品は静かな感じがするんですけど、優しくて温かくて、好きなシリーズでした。
今回は守人の友人である田辺と田辺のおじいさんのお話が多かったですね。
家は残したい。でも昔ながらの家は高齢者にはとても住みにくい…おじいさんにとっては大きな決断だったと思います。それを受け入れられない田辺の気持ちも分かりました。
どうなるのかと思いましたが、良い形に話が進み、更にカフェになるなんて!とてもいい話だと読んでいても思いました。
そして守人が紡ぐ物語もとても気になります。守人の恋愛模様は描かれていなかったけど少し想像してしまった人が理解者となっていてパートナーとなっていたら嬉しいななんて思いながら読み終えました。
<角川春樹事務所 2023.6>2023.10.23読了