ケンブリッジ大学の貧乏学寮。
おかしな規約で知られる図書館で死体が・・・・・・
実力派による英国ミステリの逸品。学寮付き保健師〈イモージェン・クワイ〉シリーズ開幕!
1992年2月の朝。ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師(カレツジ・ナース)イモージェン・クワイのもとに、学寮長が駆け込んできた。おかしな規約で知られる〈ウィンダム図書館〉で、テーブルの角に頭をぶつけた学生の死体が発見されたのだ……。
タイトルが気になって手に取りました。
主人公はイモージェンという保健師。学寮長に連れられて入ったウィンダム図書館で学生の死体が発見される。イモージェンは友人に刑事がいたため、連絡をとり、いつの間にか警察を信用していない学生たちの事情を聞くことに。
舞台は1992年なんですね。約30年前のイギリスの情勢などは分かりませんが、物語の展開は面白かったです。亡くなったフィリップになぜか姿をくらましているジャック。誰が犯人なのか真相は何なのか、それも気になりますが一方でイモージェン宅で下宿をしている老教授の大切にしている本が無くなるという事件も発生します。最後には伏線が回収され、疑問はすべて解決しました。
フィリップが一人息子でもちろん両親は嘆き悲しんでいるのだけど、母親の心理が斬新で驚きました。悪いということはないけど、斬新だなと^^;息子が亡くなったことで永遠に叶わなくなったと思われた夢に一筋の光が差したラストがとても好きでした。まあ、すんなり上手くいくかどうかは分からないけど(笑)
<東京創元社 2022.11>2023.10.1読了