京都が生んだ、やさしい奇跡。
ホルモー・シリーズ以来16年ぶり
京都×青春感動作
女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。
京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。
今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。
マキメさんは京都の学生の青春ものを結構書いているイメージだったんですけど、16年ぶりだったんですね。申し訳ないですけどモリミーと被っちゃっているのかもしれません(笑)ごめんなさい。
今回あらすじも読まずに読み始めたんですけど、始めが都大路のお話だったのでテンションが上がりましたよね!年末の風物詩!ということでそれぞれ感想を。
「十二月の都大路を上下ル」坂東は全国高校駅伝のため、京都に来ている。学校としては27年ぶりの出場で20番台で入ることを目標としているが、緊張はしていない。なぜなら自分は1年生で補欠だから。しかし、先輩の一人が欠場となり、出場することになる上にアンカーを任される。
全国高校駅伝の話だ!とまずテンションが上がりましたが(笑)本編については半分くらいですかね。でもランナーたちの息遣いが聞こえてくるようで読んでいて楽しかったです。坂東と、そして並走して走っていた荒垣さんのレース後の会話がとても良かった。きっと2人が見た人たちはその人達だったんじゃないかな。そう思った方がロマンがあるもの(笑)また翌年、2人が競う姿がみられますように。
「八月の御所グラウンド」マキメさんと京都の学生だからダラダラと学生生活を過ごす古風な男性が主人公なのかと思いましたけど(言い方)まあ若干は当たってましたけど違いましたね(笑)友人に唆されて、巻き込まれて参加することになった野球の試合。京都御所にグラウンドがあることも気軽に利用できることも知らなくて驚きました。へーと思いながら読んでいたらまさかの展開で驚きました。
八月にそんな意味があったとは。お盆の時期ならきっとそういうこともあるのかもしれないですね。そう思えた方が素敵です。野球でもなんでも、好きなことを目一杯やりたくてもやれない時代があって、そして命を落とした若者がたくさんいたことを、私たちは決して忘れてはいけないんですよね。ギリギリだったけど、8月中に読むことが出来て良かったです。
<文藝春秋 2023.8>2023.8.31読了
久し振りに万城目作品、手に取ってみました。
直木賞受賞作品なんですね。
2作品ともに青春小説なんだけど、
万城目さんの真骨頂である不思議も散りばめられていて、
とっても良かったです。
京都の青春、堪能させていただきました(^^♪