東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、開館時間が夕方7時~12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。
タイトルから食べ物がメインのお話なのかと思いましたけど、少し違いましたね。物語にちなんだ食べ物たちは、この夜の図書館で怒る様々な出来事の終わりにそっと寄り添ってくれるような感じでした。
亡くなった作家の蔵書が集められた本の博物館のような図書館。わがままな大先生に対応しなければならなかったり、突然亡くなった作家の本を引き取ったり、いわくつきなことも起こります。それでも図書館に勤める人たちが協力して何とかしてきていました。年齢が違うけど、みんなで醸し出すチームワークが結構好きでした。
そして夜の図書館の秘密にはびっくり。そして唐突に物語は終わる(笑)
これは続くのでしょうか。それとも余韻を残しているのでしょうか。登場する物語も食べ物も知らないものばかりだったので、読んで確かめたいと思いました。
<ポプラ社 2023.6>2023.8.5読了