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名家の長男として、品行方正に暮らす浦島太郎(福士蒼汰)。世にあふれる批評に辟易した彼は、なるべくそこには近づかず、風流に生きようと努めている。人はそんな彼をつまらないと言うが、風流人は何事にもムキにならないのだと、その心が分からぬ人々を哀れみながら生きていた。
そんなある日のこと、助けてもらった恩返しに現われた亀(粟根まこと)から、竜宮城には他人をどうこう言う者はいないと聞き、そんなすばらしい場所があるならばと海の中へ。何を聞いてもまともに答えず斜め上、されどもっともな亀の言葉に翻弄されつつ、竜宮城にたどり着く。そこにはつかみどころのない態度の乙姫(羽野晶紀)、そしてすべてが無限に許される空間があった。

福士君の舞台を見るのは初めてでした。なんとイケメンな浦島太郎(笑)
名家の長男として品行方正に暮らすっていうあらすじを読んで本当か?って思いましたよね^^亀との罵詈雑言のキャッチボールが凄まじかった。
こちらの原作は太宰治の「お伽草紙」なんですね。だからかな、浦島太郎の設定が若干違うような。でも原作を読んでいないから何とも言えないんですけど^^;今度読んでみよう。
劇団新感線は面白いんですけど、言葉の掛け合いとかテンションがちょっとついていけない時があるんですけど^^;今回も2人の会話がひどすぎておぉ…となる時もあったのですが、展開が面白かったのでついていく事が出来ました。よかった。
竜宮城に行ったらご馳走があってもてなしてくれるのかと思ったらそこまででもない乙姫様とか(笑)妙にリアリティがあって面白かったです。乙姫様も良い人なんだろうけどなんとなくピントが合っていないところがあって異世界の人感があって良かったです(褒めている)羽野さん綺麗だった…
長い間、争いのない竜宮城で暮らしていて、ラクだけど飽きた浦島太郎。それは分かる気がする。だから帰りたいと思った気持ちも。
地上に帰ってきたときの風景が建物が多く立ち並んでいて更に廃墟と化していた場所で、300年が経過していたらしいけど浦島太郎はいつの時代の人なんだろう…。江戸時代だとしたら300年後は第一次世界大戦とか第二次世界大戦あたりなのだろうか…
日本昔話の浦島太郎を読んでいても思っていたけど、乙姫様はどうして浦島太郎に玉手箱を渡したんだろうと思っていたんです。地中と地上の時間の経過は異なるから、地上で過ごすはずだった時間を返すための箱、だとしたら少しだけ納得できるかなとも思いました。
不平不満を言いつつも戻りたかった家はすでになく、竜宮城にも帰れない。だから浦島太郎は玉手箱を開けるといういわば「死」を選んだのかなとも思いました。
劇団新感線が訴えようとしていたことをちゃんと理解できていなかったかもしれないけど^^;面白かったです。