物語の種
有川 ひろ
幻冬舎
2023-05-24


第一話 SNSの猫 
SNSで目にした保護猫に心を鷲づかみにされた主人公。ある日、事件が起きて……。
第二話 レンゲ赤いか黄色いか、丸は誰ぞや 
祖母を亡くした妻、父を亡くした旦那。二人の会話から見えてきたのは……?
第三話 胡瓜と白菜、柚子を一添え
静岡生まれの旦那の実家にて、高知生まれの妻は何を思う?
第四話 我らを救い給いしもの
中学の社会の時間にクラスメイトが発したある意見に、主人公は痺れた。
第五話 ぷっくりおてて
小学生の夏休みに祖父の家に預けられた主人公の、ほのぼのハッピーな成長譚。
第六話 Mr.ブルー
ある家電メーカーで出世街道驀進中の研究所長には、意外な秘密があった。
第七話 百万本の赤い薔薇
ある夫婦の、40年にわたる結婚記念日の物語。
第八話 清く正しく美しく
エステサロンに勤める主人公。強欲な店長の元で働くことに悩んでいて……。
第九話 ゴールデンパイナップル 
祇園祭によさこい祭。祭の復活は、やっぱり嬉しいもので。
第十話 恥ずかしくて見れない
ある家電メーカーで働く主人公は、3歳年上の先輩のことが気になっていた。

物語の種を募集してそこから有川さんが物語を書く。何て豪華な企画なんですか。
有川さんの作品だから高知がよく出てくるのは分かりますけど、途中から宝塚入門書みたいになっていませんか?(笑)
私は宝塚を観劇したことはないんですけど、なんだかハマりそうな予感がして怖くて見てないというのもあります^^;これ以上追いかけるものが出来たら破産してしまう…!←
Mr.ブルーと「私」の会話はまんま同担同士の会話でしたし…思い当たる節がありありなんですが…。推しが一緒だと年齢関係なくお友達になれるんですよ。私も20歳年上のお友達いますから。推しがいる生活は本当に楽しい。だからこそ、周りの好意に気づいてない先輩にはちょっとじれったさも感じました。あれはマジで気づいてないな(笑)苦労するなぁ青年。でも読んでいて楽しかったです。
あと印象に残ったのは「百万本の赤い薔薇」かな。
椿の文箱のお話もとても素敵だったんですけど、私の両親もちょうど今年が結婚40周年だったんですよね。私も本当に少しだけお祝いの品を持って行ったけど、両親は、両親だけになった家で2人、何かをプレゼントしたり話をしたりしたのかなぁと思ったりしました。
結婚記念日はケーキを買って2人で食べたりもしているらしいので、それはしたのかなぁとも思ったり。40本の薔薇の花束、素敵だなぁ…

<幻冬舎 2023.5>2023.7.24読了