ミステリ小説みたいな事件なんて、現実にはそうそう起きたりしない。
殺人事件の犯人はだいたい怪しい人間だし、犯行現場の指紋を偽装するヤツなんてめったにいない。世に起きる事件の98%は一般的な事件であり、優秀な日本の警察によって早急に解決されていく。
だが、しかし。
2%はそうではない。
この平和な日本でも起きるのだ。密室殺人が。怪盗による犯行予告が。
そうしたやっかいな事件は並の警察官では歯が立たない。いわゆる「名探偵」の力が必要だが、毎回民間人に協力を仰ぐのも警察の名折れである。それならば警察組織にしてしまえばいい!
こうして生まれたのが、警察庁特殊例外事案専従捜査課――略称「特専課」――通称「探偵課」。
探偵課に所属するのは民間の名探偵たち。名探偵の例にもれず全員クセがすごい、というか全員めんどくさい。事件が起きると召集され、ずかずかと現場に現れて華麗に解決する。なお報酬は歩合制である。
そんな愉快な探偵課に配属になったのは、警察庁に入庁したばかりの新人・木島。
中途半端な密室、あやふやな予告状、見立てっぽい殺人事件。次々と巻き起こるヘンテコな事件に天を仰ぎながら、クセツヨ探偵とともに今日も立ち向かう。
これは新たなシリーズになるのでしょうか。
現場に行きたくないと一心に勉強し、見事に合格した木島。しかし、新人研修もなしに配属されたのは謎の探偵課。クセツヨな探偵たちに振り回されながら、行きたくないと思っていた現場に行く羽目に。かなり可哀想な状態である木島ですが、なんだかんだでいろんな探偵たちに順応しているような気がするので向いているんじゃないかなと思いました。って言ったら怒られるかな?^^まあ新人だからこそですよね。多少のキャリアがあって配属されたら精神を病むかもしれない(笑)
数々の事件は壮大な完全犯罪ではないけど、しっかりミステリ要素があってさすが倉知さんだなと思いました。
<ポプラ社 2023.2>2023.7.23読了