本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。人生の終幕に差し掛かった周太郎さんが、街の人たちに幸せを贈る「サンタクロースの昇天」、取り壊しの決まった雑居ビルで占い師をしている女性が来し方をふりかえる「勇者のメロディ」など、他者の幸福を願って生きた人たちの顛末を描く。各話に「猫」が登場、機知にとんだユーモアで包みながら、生きることの意味を温かく伝える大人気シリーズ第8弾!

今回は小さな子猫ちゃんがコンビニたそがれ堂に現れ、その願いを聴いた後、店員のねここが今までにあった猫が関わっていたお話をしていくという展開でちょっと珍しい形だったかもしれません。
しっぽの短い麦わら色の子猫の優しさ。飼い主家族の優しさ。ねここのお話に登場する周太郎さんと占い師の優しさ。村山さんの作品は、いつも優しさに溢れています。
周太郎さんのその後は良かった…と思ったけど、占い師さんのまさかの展開には驚いて切なくなったり。それでもみんなが幸せそうで、お裾分けを頂いたようでした。

<ポプラ社 2019.2>2023.6.30読了