ひと月前に大学へ長期休暇を申請して以来、一切の連絡がとれない黒猫。
付き人は、学部長の唐草教授の頼みで、失踪直前に彼の研究室を訪ねた四人の来訪者――
元歌手の赤城藍歌、俳優の平埜玲、現代画家の網野美亜、写真家の魚住ゆうから事情を訊き、黒猫の行方を調べることになる。
K大学教授の灰島浩平にそのことを打ち明けるが、依然として手がかりは摑めないまま、気持ちばかりが焦ってゆく。
黒猫は何の目的で彼らと会っていたのか?そしてその行方は。

あらすじに衝撃の結末と書かれているので結末が気になって一気に読んでしまいました。もったいない。
ずっと行方知れずの黒猫。これ以上行方が分からないと大学にい続けられるか分からないと唐草教授に頼まれて行方を探し始める付き人。
失踪直線に黒猫を訪ねた4人の来訪者と黒猫が出会ったときのことが順番に描かれています。
そして最後にちゃんとその理由が分かるのですが、本当に結末が衝撃でした。そんなことになっていたんだっけ…2人は婚約してたよね…そこから何年も経っているんだよね…とそこまでは覚えているんですけど。…と思って前作の感想を読み返したらやっぱりそんな感じで^^;
だから本当に衝撃でした。2人はもう29歳なんですね。2人のふんわりとした関係が好き…なんて言ってはいられない、人生の岐路に立たされているんですね…今までの2人に対しての想いを返してくれ!とちょっと思ってしまってすみません。
2人がこれからの人生をどう選択していくのか、見守っていきたいと思います。

<早川書房 2023.3>2023.6.29読了