陰陽師 蒼猴ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2016-06-10


仏師の明念は、助けた女・紅音と懇ろになり、やがて息子・真足が産まれる。明念は、妻子を養うため、野山で獣を獲り、山菜を摘んで暮らしている。やがて妻が病死し、幼い息子を一人で育てるようになった。
ところが六歳になった息子も具合が悪くなり、食べ物をうけつけなくなる。ある日、光り輝く桜の木の洞に、明念は季節はずれの見事な桃の実を見つける。それを息子に見せると、元気を取り戻していくのだった――。
フリーアナウンサー・渡辺真理さんからのお題「桃」にこたえて書かれた「仙桃奇譚」など十編を収録。京の不思議がつぎつぎに晴明と博雅に降りかかる超人気シリーズ。

「仙桃奇譚」の桃が登場するお話が印象的だなと思ったのですが、まさか対談のお題で書かれた作品だとは知りませんでした。面白いですね!
そういえば今回初めてじゃないでしょうか。「ゆこう」と言われて「ゆけぬ」って答えたのは(笑)
博雅がいけないことで何か起きるのではないか…とドキドキしましたけどそういうわけではなくて安心しました^^
事態が解決してもちょっと物憂げな時などは博雅の葉双の音色が心を癒してくれるのですね。
次作も楽しみです。

<文藝春秋 2014.1、2016.6>2023.6.20読了