都のあちらこちらに楽しげに現れては、伽羅の匂いを残して消える不思議の女がいた。露子姫の前にも姿をみせたという話を晴明が耳にした翌日、蜘蛛の巣に妙なものがひっかかったと僧が訪ねてきた。早速、博雅と寺に赴き、蝶のようなそれを放した晴明が知ることとなった女の正体とは?「はるかなるもろこしまでも」他、全九編。
あらすじに出ていた「はるかなるもろこしまでも」がとても好きでした。ちょっと切ないけど、優しい物語で、露子姫が絡んでいたのも良かったな。
「笛吹き童子」で珍しく博雅が落ち込んで悩んで葉双を返そうとしているのが、どうなるのかとハラハラしました。良かった…返さなくて。
「百足小僧」は想像するとめちゃくちゃ怖かったです…。
今回も面白く読みました。
<文藝春秋 2011.5、2013.11>2023.3.12読了