君のクイズ
小川 哲
朝日新聞出版
2022-10-07


生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

某雑誌で阿部ちゃんが面白かったとおススメしていた小説^^気になったので読みました。手に取ってから気づいたんですけど、先日直木賞を受賞された方の作品だったんですね!(色々遅すぎる)
これはクイズが好きな人にはたまらない作品ですね。ぜひ読んで欲しい。クイズがひたすら出てくるのではなく、クイズ番組の決勝戦で一文字も問題が読まれないうちに回答して正解した対戦相手に対してなぜ答えられたのか、彼が出たクイズ番組を見まくって解明する主人公のお話です。
周りはヤラセだとはやし立てる中、1番近くにいた彼だからこそ冷静にヤラセとは感じなかった。ではなぜ答えられたのか?と追及していきます。そして決勝戦で出た問題に対して自分はなぜ回答できたのか、その答えを知ることになった経緯、過去なども描かれていて過程が面白かったですね。クイズが好きな人や雑学が好きな人は日常生活の些細な疑問も取りこぼさないで拾い上げるんだろうなぁと読んでいて感じました。
三島が導き出した答えは素晴らしかったと思います。見事、最大の難関だったクイズを正解できたと思います。そしてオチがなかなかに辛辣でしたね^^;三島がクイズを嫌いにならなくて良かった。自分は自分の好きなクイズを邁進していく姿勢に交換が持てました。
そして、SNSの怖さも同時に感じましたね。本人は何も言っていないのに三島という人格が勝手に構築されていく様はちょっと読んでいて怖かったです。のめりこんでいないつもりだけど気を付けよう。
阿部ちゃんが面白かったと言った理由が分かりました。これはクイズ好きは特にワクワクしながら読めそう。素敵な作品を教えてくれて、ありがとうございました^m^と、ここでいう(笑)

<朝日新聞出版 2022.10>2023.2.21読了