パリの弁護士ショーモンは古いモノが好き。仕事は順調、稼ぎも良いが、趣味の骨董収集に妻も周囲も全く関心を持ってくれない。ある日、自分そっくりの18世紀の肖像画を落札したショーモンは、その男の正体を探す旅のなかで、奇妙な偶然に巻き込まれていく……。

未読なのですが「赤いモレスキンの女」は聴いたことがありました。でもこちらがデビュー作なんですね。幼少のころから物を集めるのが好きだったショーモン。大人になってからもその趣味は続き、妻は呆れている。確かに肖像画の落札額が異常でしたよ…怖い。
本当に、おとぎ話でしたね。18世紀の肖像画の正体を探して言っていたはずなのに自分自身も巻き込まれていきました。すぐにばれるだろうと思っていましたけど、まさか真坂の展開に驚きました。それでもまあ、嘘をつき続けていても周りが分かっているならそれはそれでいいのではないかな。だってずっと望んでいた自分ではない人生を歩むことが出来たのだから。
こちらは第3弾のようなので他のおとぎ話も読んでみたくなりました。

<新潮社 2022.12>2023.2.15読了