とある小さな田舎町で暮らす芙美(ふみ)。
気の合う職場の友人たちとほっこり時間を過ごしたり、うんと年の離れた親友の少年と遊びに出かけたり、ある日、隕石に遭遇するというあり得ない出来事を経験したり。そんなふうに日々の生活を楽しく送るなかで、ときおり見え隠れする芙美の哀しみ。彼女がひとりで暮らしていることには理由があって、その理由には“ある哀しみ”があって、そして草笛をきっかけに出会った男性と恋の予感も訪れて……。
私はこういう映画が好きだなぁと思いました。
景色が美しくて、何気ない日常を切り取ったような平凡で、それが温かくて優しくて、それが分かる映画が好きです。
職場の友達と仲良くなって、行きつけのお店があって、ちゃんと人との関わりがあるのが、いいなぁと思いました。
芙美はきっと、何かを抱えていて、だからこの町に来たんだろうなと思っていました。まあ最初から断酒の会に参加してる映像だったからなぁ^^;どうしてそうなってしまったのか、その理由も何となく分かりました。分かっていてもこの雰囲気が凄く好きでした。
職場の友人たちとの関係も素敵だったけど、私は航平との関係もとても好きでした。年の離れた親友だけど、きっとどこかで息子を重ねているはず。そう思ってはいけないと思っていてもきっとどこかで思っている。航平はそれにきっと気づいていて、だから最後に「芙美ちゃん、僕がいなくても、芙美ちゃんは幸せになれる?」なんて言ってくれたんですよね。私はその言葉に涙が出ました。なんていい子なんだろう。こんないい子だから、おとうさんとお母さんと一緒に、きっと幸せになれるなって思いました。
篠田と出会った後の芙美は本当にちょっと女の子になっていて、微笑ましかった。でも、ずっと1番は息子で。預かったインコが「ようちゃん」を覚えてしまうくらい、写真に話しかけていたんだろうなと思うと胸が苦しくなりました。
それでも、それを乗り越えて、少し前に進めそうな芙美ちゃんを見ることが出来て良かったです。
いい映画でした。