不思議な図書館で綴られる、本と人の絆を繋ぐビブリオファンタジー。
高校生の美原アンが夏休みにホームステイすることになったのは、札幌の郊外に佇む私設図書館、通称「図書屋敷」。不愛想な館主・セージに告げられたルールを破り、アンは真夜中の図書館に迷い込んでしまう。そこは荒廃した裏の世界――“物語の幻影”が彷徨する「図書迷宮」だった!
迷宮の司書を務めることになったアンは「図書館の本を多くの人間に読ませ、迷宮を復興する」よう命じられて……!?
美しい自然に囲まれた古屋敷で、自信のない少女の“物語”が色づき始める――。
タイトルに惹かれて手に取りました。
でも、何となく考えていた物語とはちょっと違いましたね。それが悪いというわけではなくて想像以上にSFで、スペクタクル!って言葉が正しいような物語でした。
主人公のアンは父親のマイペースに巻き込まれ、逢ったこともない人の家に2週間ホームステイをすることに。いやーヒドイ父親だわーありえないわーと思ったけど後々まあわかることもあるわけなのですが。
アンが巻き込まれた諸々は根底は父親の若気の至りから来たものだったのかもしれないけど、ワガハイはそれを理由にしてセージを助けてほしかったんだよね。アンが真剣に図書迷宮と向き合って闘ってくれる人で良かった。
もみじ君がどうしてアンにこんなに優しくしてくれるんだろうと思っていたのだけど、なるほどそういうことだったのですね。
セージももみじ君も強い人。優しくて強い人。
この2人のこともあったけど、アンの物語もあったのですね。本がメインだと思っていたけどこんなにSNSにまみれる展開になるとは思わなかったよ。怖かった…。情報って怖い。
アンはこれからどうするのかな…。セージも…と気になるところで終わって余韻がひどいです(笑)
<KADOKAWA 2022.4>2022.12.6読了