たとえば、葡萄
大島 真寿美
小学館
2022-09-16


まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。
誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。
何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。

辞めてから何をするか決めていないのに仕事を辞めた美月。ハローワークに通う日々を過ごすも新型コロナの猛威に外出自体がままならぬ状態に。美月が仕事を辞めてしまった理由。分かるなー…。いい会社に勤めていたのに…と言われても、ままならないことってありますよね。良い会社だからこそ自分が浮いてるなってわかったりとか。だから、美月の選択は間違ってなかったと思います。ゆるゆると過ごす時間も、きっと必要だったんですよね。
それにしても山梨での暮らしは素敵だったな…。本当に美味しいブドウジュースはりんごの味がするって気になる。飲んでみたいな…。
こちらの作品は続編でもあったんですね…。作品の最後に姉妹作があると知りちょっとショックを受けました^^;ただ、完全に続きというわけではなく市子たちがもう少し若い頃の物語のようでそれはそれで読みたくなりました。今度読もう。

<小学館 2022.9>2022.10.6読了