そんな時は待とう、静かに。諦めず。いい風があなたに吹く日まで。そこに降り立ち、飛び立つまでのひととき。旅人たちの人生が交差し、奇跡が起こる。
第一話 旅立ちの白い翼
夢破れて、故郷の長崎へ戻る亮二は荷物をまとめて空港へ。似顔絵画家の老紳士と出会い思わぬ言葉をかけられる。
第二話 それぞれの空
「本は魔法でできているの」小さな書店を営んでいた祖母の言葉。いま空港の書店で働く夢芽子が出会う、ちょっと不思議な物語。
第三話 夜間飛行
恵と眞優梨は33年ぶりに空港で再会する。少女の日のすれ違いと切ない思い出を名香の香りに乗せて。
第四話 花を撒く魔女
老いた奇術師幸子は、長い旅の果て、故国の空港に降り立つ。自分の人生が終わりに近いことに気づき、来し方を振り返る。
昔からお世話になっている香桑さんがこちらの本をブログに掲載されていて、気になって読んでみました。
私は北海道に住んでいるので、道外に出るときは必ず飛行機を使います。私の場合は推しに逢いに1年に何度も空港を利用します。それにちょうど今、空港が舞台のドラマを見ているからタイムリーだったかも。でも、私はせっかちだからこんなに空港を楽しんだことはない気がするなぁ…。いつも利用する新千歳空港も、中にある施設を利用したことはほとんどないし…。こちらの本を読んで今までもったいないことをしていたかもしれないと思いました(笑)
私は最近、本を読むのは勤務先でのお昼休憩の時で。いつもと同じようにこの本を読んでいたら第一話の終盤で涙が止まらなくなったため職場で読むことを諦めました^^;第一話を何とか読み終えて次のページをめくった第二話のタイトルが「それぞれの空」V6の、大好きな、でも切ない別れの曲を思い出してとどめを刺されましたよね(笑)すぐ本を閉じました。涙腺が崩壊しそうなのを何とかこらえました。
家でゆっくりと読みました。村山さんの描かれる作品は皆が優しい。読んでいる人にも優しい。傍で大丈夫だよって寄り添ってくれているみたいです。そして、こちらに登場する女性たちがそれぞれ前向きに、素敵に働いて生きているのを感じて、元気づけられた気がしました。最初の漫画家さんも絵描きさんもとてもすてきでしたけども。いつも前を向いて生きる勇気をいただいています。今回もそうです。ありがとうございました。
<徳間書店 2022.3>2022.8.11読了
人々のざわめき、出発のアナウンス、離陸のジェット音。
そういった音を思い出しながら読んだ本でした。
いつかまた、もっと安心してのびのびと旅行ができるようになったら、押しかけますね。