おまえの体、キスするのに丁度いい―。初対面のゲイバーで大胆に誘ってきた小悪魔美人の飴屋。空手道場の師範代で、恋愛ではいつもお兄ちゃん止まりだった成田が、一目で本気の恋に堕ちてしまった…!?ところが数日後、道場で再会した飴屋は、七歳の息子を持つ良きお父さん!!一夜の情事などなかったように、隙を見せようとしない。どちらが本当の顔なのか…?成田は不埓な劣情を煽られて!?

凪良さんのBL作品を読んだのは初めてでした。
冒頭の2人の出会いが衝動的過ぎて(笑)そこからの子供を交えての再会はなかなかに気まずいですよね(笑)でも、ゲイだと思っていた相手には子供がいて、だからもちろん家庭もある。一目ぼれをしてこんな相手は二度と会えないかもしれない!と思った成田は激しくがっかりします^m^
それにしても、成田は良い人ですよねぇ…。良いお兄ちゃんと言われるのが分かる気がします。そして利用されるだけされてきっと恋愛に発展することなくさようならをしてしまうんでしょうね…カワイソ。
著者さんご本人もおっしゃっていましたがいろんなエピソードがてんこ盛りで闇鍋状態と言えばそうでしたね^m^読んでいる方はいろんな展開が出てくるので面白かったですが。
成田のおじいさんが本当に良い人でしたし、のばらも素敵な女性でした。
飴屋の気持ちにちゃんと気づいて背中を押してあげている優しい女性。でも、押し切ってあげたいけど出来ない現状もある。そのもどかしさを最後はまるっと解決していくわけですが、小さな家族が寄り添って一つの大きな家族になる形が良かったです。

<徳間書店 2015.7>2022.7.1読了