安倍晴明の屋敷で、いつものように源博雅が杯を傾けている所へ、橘実之の娘、虫が大好きな露子姫がやってきた。何でも晴明に相談があるというのだ。広沢の遍照寺にいる僧が、眠る前に読経していると、黄金色をした虫が現われるが、朝には消えてしまうらしい。この虫の正体は―。「二百六十二匹の黄金虫」他、全六篇収録。
シリーズ7作目ですね。ゆっくりと読み進めています。
清明の家の縁側で清明と博雅がお酒を飲み交わしている。その風景が当たり前のようにここに存在していることが嬉しいです。
前回お気に入りになった^^露子姫が再び登場して嬉しかったです。虫が大好きな露子姫ならではの出来事でしたね。それにしても262匹の虫の特徴をちゃんと確認して数もちゃんと数えている露子姫凄い…。また登場してほしいです。
「棗坊主」は老人同士の碁の勝負に口を出したために50年もの月日が経過していた僧のお話。でもこの僧がこうなってしまったのは老人に会う前だったのか後だったのか…とちょっと気になりました。まあ老人2人が人を殺めることはないと思うけど…
「覚」ある屋敷に入った者たちが次々と魂が抜かれたような状態となってしまい、助けを求められた清明。清明が妖に動じない姿にさすがだな…と思いつつ喋ってはいけないと言われた博雅は清明にぴったりくっついて喋らないように頑張ってたのかなと思って勝手に妄想してニヤニヤしてました←
「針魔童子」道満が登場しましたね…でもいつもより優しいというか良い人だったような←そうか、道満は播磨出身なんですね。無くした針が見つかって良かった。
<文藝春秋 2003.4、2006.3>2022.5.6読了