ミュゲ書房
伊藤 調
KADOKAWA
2021-03-17


小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。
失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のもとに持ち込まれた二つの書籍編集の仕事の中で、次第に本づくりの情熱を取り戻していく。そして彼が潰してしまった作家・広川蒼汰は――。

タイトルが気になって読んでみました。
章は大手に勤めるには心が優しすぎたのかもしれませんね。
ミュゲ書房のように自分で自由に動ける方が向いているのかもしれません。おじいちゃんから素敵なものを託されて良かったなぁと思いました。
章が大手出版社を辞めるきっかけとなった広川蒼汰に関してはすぐに予想が付いてしまったのですが、そんなことは関係なく面白くて引き込まれていきました。
章たちが大事に大事に作り上げた1冊の本を、かつての上司が大手の都合をフルに使ってゆすって←来るところとか読んでいて本当にイライラしたんですけど。
ミュゲ書房に関わる全ての人が優しくて温かくて、章自身がまっすぐだったから皆なんとかしなければと思ったんだろうなと読んでいて感じました。
本を好きな人皆さんに読んでほしいです。

<KADOKAWA 2021.3>2022.4.26読了