売れないタレント・おかえりこと丘えりかは、依頼人に代わり旅をする「旅の代理人」。秋田での初仕事を終え、次なる旅先は北海道──ある動画に映っている人物が、かつての恋人か確かめてほしいという依頼だった。依頼人には、初恋を巡るほろ苦い過去があって……。『旅屋おかえり』未収録の、幻の札幌・小樽編が待望の書籍化。北海道旅エッセイ&おかえりデビュー前夜を描いた漫画も収録した特別編!

こちらは前作の続編ではなくて、角館と内子の間で行った旅のお話だったんですね。面白い。
こちらは本編も札幌と小樽が舞台だし、原田さんのエッセイも帯広で北海道が舞台。北海道民としては嬉しい限りでした。私は札幌生まれ札幌育ち札幌在住なのですが勤務先は小樽なんです^^;なので小樽駅を降り立ったおかえりさんが見た風景はそのまんま思い浮かべましたし、そのあと向かったお店までの道のりも頭の中に簡単に思い浮かべることが出来て、楽しかったです(笑)
でも、依頼人もおかえりさん自身も北海道の地に足を踏み入れられないと思っていて、ちょっと寂しかったですけど^^
依頼人さんの内容がお姉さんに対しても元彼に対しても哀しくて寂しくて、何とかなってほしいなぁ!と思ったら想像以上に何とかなって(語彙力よ)心が満たされました。ここまで相手を想い合えるなんて、なんて素敵なんだろう。本当に良かった…。でも、お姉さんの気持ちも分かるんですよね。私もきょうだいで1番上なので。お母さんから言われた言葉は、言い方は悪いですが呪いの言葉です。自分を犠牲にして妹を育ててきた。だからこそ妹には幸せになってほしいし、自分も報われたかった。だから今回お姉さんもきっと救われたはずで、本当に良かったなぁと思いました。
原田さんのエッセイも面白かったです。
私は帯広は1度しか行ったことがありません^^原田さんは何度も行かれているんですね。まあ、札幌なんで六花亭何店舗もありますし←でも中札内美術村は知りませんでした。美術館巡りが好きな身としては見過ごすわけにはいかないですね。いつか行きたいな。
最後の漫画も良かった。解説も良かった。大満足でした。

<集英社 2021.12>2022.4.9読了