とある晩、安倍晴明の師・賀茂忠行の息子保憲が訪れ、晴明に厄介な一件を頼み込んだ。それは―。藤原為成が一条六角堂で妙な首に憑かれてしまい、命も危ういので助けてやってくれぬか、というものであった。源博雅とともに為成の屋敷へ向かった晴明は…。「首」の他、都の闇にはびこる悪鬼、怨霊たちと対峙する全五篇収録。
清明の師の息子である保憲がちょいちょい出てきますけど、だいたい厄介ごとを持ち込んでくるから多分嫌な奴ですよね←
1番好きだったのは「むしめづる姫」かな。昆虫を愛する姫のことを、読んでいるこちらが好きになりました。姫はこのままでいてほしいな。周りが気味悪がっても決して殺そうとはせず慈しみ、誰かを憎むわけでもない、心がとてもきれいで美しい姫でした。
「首」は怖かったなー。こちらの姫は悪趣味すぎる…って本人が仕組んだわけではないのか。
そして相変わらず清明と博雅のお酒の席での会話が可愛らしくて大好きです。ずっとこのままでいてくれ…
<文藝春秋 2002.1、2005.3>2022.3.25読了