余命10年 (文芸社文庫NEO)
小坂 流加
文芸社
2019-03-22


死ぬ前って、もっとワガママできると思ってた。
二十歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。
笑顔でいなければ周りが追いつめられる。
何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。
未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。
そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。
衝撃の結末、涙よりせつないラブストーリー。

以前から気になっていたのですが、映画化されるとのことでこれを機会に読んでみました。
主人公は20歳の時に余命10年だと告げられます。
余命を知りながら生きていくのは、一体どんな気持ちなのでしょうか。私には想像もつきません。
でも主人公は必死に一生懸命、楽しんで生きていたと思います。
自分が余命を知った後に同じ病気で亡くなった女性と関わり、配偶者が嘆き悲しんでいる姿を見て、恋はしないと決めていた。それでも恋をした。お互いが相手を必要とする、素敵な恋だったと思います。ドラマや映画は最後まで一緒に添い遂げるものが多いですが、こちらは少し違いましたね。どちらが正しいとは言えないけど…。
終盤うるうるしながら読んでいました。
映画も気になります。

<文芸社 2017.5>2022.2.18読了