丑の刻、貴船神社に夜毎現われる白装束の女が鬼となって、自分を捨てた男を取り殺そうとする。そんな男の窮地を救うため、安倍晴明と源博雅が目にしたものは!?女の悲しい性を描いた「鉄輪」他、全七篇。百鬼夜行の平安時代。魍魎たちに立ち向かう若き晴明と博雅の胸のすく活躍、魅惑の伝奇ロマンシリーズ第三弾。
あらすじにも書かれている「鉄輪」が特に印象的でしたね。
その女性のこともそうですけど、何とかしてほしいと男に頼まれた博雅があまり乗り気ではない清明にお願いをするのだけど、2人に自分の姿を見られてしまったと後悔する女の姿が切なく、その姿を見てしまったこと、清明に頼んでしまったことを悔やむ博雅がまた素敵だなぁと思いました。
清明の家の庭に咲く草花を見て物思いに耽る博雅が素敵だし、その言葉にちゃんと応え清明も素敵。
たまに2人の世界に入ってて見せつけられるのなんなんですかね^m^
1冊読んでると1回はそういうことがあるんですけど。大歓迎ですけど←
今回は以前登場した方が再び出てきましたね。
こうした繫がりが出てくるのもなんだか嬉しいです。
舞台「陰陽師 生成り姫」をきっかけに原作を読み始めているのですが今回「生成」という言葉が出てきてドキッとしました。鬼になり切る前の姿、鬼の角が生えかかっている状態のことを言うんですね…。
今回も面白かったです。
<文藝春秋 1997.11 文春文庫 2000.11>2022.2.3読了