平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせ、この世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。
映画、舞台、漫画にもなった超人気シリーズの記念すべき第一作。
ついに読み始めました。
映画も観よう観ようと思って結局見ていなくて、でも舞台を観ることになったから、先入観なく見られるのでそれでよかったのかなと思います。
でも原作は読んで世界観を知っておきたいと思い手に取りました。
連作短編集のような形だったんですね。そして1番最初の作品は昭和に刊行されていたことを知り息の長いシリーズなんだと改めて気づきました(本当に今更)
安倍晴明は妖を母に持つと噂があるし、本人も年齢不詳で見目麗しい青年…という先入観は持っていたのですが間違ってはいなかったですね。
人ではないものが都で巻き起こすあれこれを飄々と解決していく感じが爽快感すらありますね。清明に弱点はあるのだろうかというくらいいつも余裕な感じで、ちょっと悔しさも感じるような(笑)
そして相方である源博雅は実直で素敵な人ですね。ただ真面目さゆえに清明に振り回されている感じがしますけど^^正反対な2人だからお互いを認め合い、尊敬しあっているのかななんて思ったりしました。
面白かったです。取り合えず来月までに生成り姫まで読みますよー
余談ですが清明の人物像で「四十歳を過ぎていてもおかしくないはずなのに、まだ三十歳にもならない青年のようにも見える」に笑いました。このくだりピッタリですね^^
<文藝春秋 1988.8 文春文庫 1991.2>2022.1.11読了