偽恋愛小説家、最後の嘘
森 晶麿
朝日新聞出版
2021-10-07


編集者・月子は担当の恋愛小説家・夢宮宇多との恋と仕事に悩んでいた。
そんな折、恋愛小説のベストセラー作家・星寛人が自宅マンションの屋上で死体となって発見される。しかも、死亡推定時刻に屋上は施錠されているという密室状態で、真夏であるにもかかわらず死因は凍死だという。
犯人はどうやって星を殺害したのか? ネットでは「犯人は雪の女王」との噂が囁かれる一方で、SNSには彼が期せずして「最高傑作」と言い残した新作短編の一部が連投される謎の現象も発生する。
星の内縁の妻・長崎愛璃と月子の友人・浜丘有希が意味深な会話をしている現場を目撃し、彼女らが共犯者である可能性を疑う月子に、夢宮からメールが届く。
『雪の女王の正体はわかったかな』
――殺人事件の犯人は誰なのか? 「最高傑作」とされる短編は本当に存在するのか
「アナと雪の女王」のベースとなったアンデルセンの「雪の女王」の読み解きから、夢宮は真の犯人を突き止めていく。

まさか第3弾が出るとは…!って、続編が出たときも同じことを言っていました^^;
今まではいろんな童話が登場しましたが、今回は「雪の女王」に絞られていましたね。
そういえば「雪の女王」のお話って本でも映像でもちゃんと見たことがないかもしれない…。ナルニア国物語の小説を全部読んだくらい…違うか^^;
今回は夏なのに凍死で見つかった死体について夢センセと月子が迫ります。
といっても、夢センセは結構早い段階からすべてを理解していたような気がします。
死んだ小説家のことやSNSで登場した新作短編を読んで同業者として分かる部分があったのかもしれないですね。
それにしても新作短編に隠された真実については切なかったな…
月子はいい子なんだろうな…ということが有希との会話からも伝わってきました。
哀しい結末もあったけど、遺された人たちは(悪人以外は)前を向いて追われたから良かったかな。
これでこのシリーズは終わりなのかな…?
その後の夢センセと月子のことも知りたい気がします。

<朝日新聞出版 2021.10>2021.11.17読了