ばにらさま (文春e-book)
山本 文緒
文藝春秋
2021-09-13


冴えない僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい
日常の風景が一転! 思わず二度読み!
痛くて、切なくて、引きずり込まれる……。
6つの物語が照らしだす光と闇
島清恋愛文学賞、本屋大賞ノミネート『自転しながら公転する』の山本文緒最新作!
伝説の直木賞受賞さく『プラナリア』に匹敵るす吸引力! これぞ短編の醍醐味!
「ばにらさま」僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい……。
「わたしは大丈夫」夫と娘とともに爪に火をともすような倹約生活を送る私。
「菓子苑」舞子は、浮き沈みの激しい胡桃に翻弄されるも、彼女を放って置けない。
「バヨリン心中」余命短い祖母が語る、ヴァイオリンとポーランド人の青年をめぐる若き日の恋。
「20×20」主婦から作家となった私。仕事場のマンションの隣人たちとの日々。
「子供おばさん」中学の同級生の葬儀に出席した夕子。遺族から形見として託されたのは。

書店でこの本を初めて見かけたとき2度見してしまったんですよね…。インパクトはあるけど、正直ちょっと引いてしまいましたよ…なんか怖くて。
それは置いておいて、6作品とも面白くて一気読みでした。中にはちょっとした仕掛けがあるものもあったりしてなるほど!と思ったり…
「ばにらさま」の恋人は痛々しかったですね。僕にすべてがバレバレだったのが尚更。僕がちゃんと気づいて良かった。
「子供おばさん」が特に印象的だったかな。多分主人公が10年後20年後の自分を見ているような気がしたから。私はまさに今子供おばさん状態だって自覚してるので…。いや前々からだけど。最後が良かった。私もこんな風に生きていきたいと思いました。

<文藝春秋 2021.9>2021.10.13読了