ただいま神様当番
青山 美智子
宝島社
2020-07-08


ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた!突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんのお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……?「お当番さん、わしを楽しませて?」幸せになる順番を待つのに疲れている印刷所の事務員、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、部下が気入らないワンマン社長。奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか主人公たちの悩みも解決していて……。

この作品を今、手に取ったのは運命だったのではないだろうか…と思うくらいに自分の今抱えていることに対しての答えをくれたような作品でした。びっくりしました。
何度かとめどなく涙があふれて困りました。私は大体通勤中かお昼休みに本を読むので…^^;
大好きな作品が、また1冊増えました。
朝のバス停。いつも同じ時間帯のバスに乗る年齢も性別もバラバラな5人。なぜか順番に「神様当番」に任じられます。
私は特に最初の水原咲良のお話が好きでした。好きというか、自分の今の気持ちに寄り添って答えを出してくれたような気がして。面白かったというか助けられた気がしました。正直救われた気がします。
次の小学生の千帆ちゃんのお話も好きです。こっちの方が泣いたかな^^;兄弟で1番上で、だから強気で弱いところなんて見せないで毎日頑張ってる。でも、お母さんにいった一言に、涙が止まらなくなりました。そういえば私も、ずっと長い間、両親に名前で呼ばれてないなぁ…と思って。でも千帆ちゃんはやっぱり強くて優しい子でした。弟もいい子だったな。ちょっとイラっとするけど(笑)
5人が登場しますが微妙に人間関係がリンクしているのもまた憎いですね。何度読み返したことか。
本当に、今、読めて良かったです。本にも縁ってあるんだなぁ…なんて思ってしまいました。
青山さんの本はまだ2冊目です。どんどん読んでいきたいです。

<宝島社 2020.7>2021.10.1読了
「私にとっては月とか金星とかと同じ」
「好きなものをただ好きだなぁ良いなぁって見ていて幸せな気持ちになれるなら、それってもうじゅうぶん、通じ合えてると思わない?だから私は「私のジロ」がいるからいいの。ファンの数だけジロもたっちんもいるんだよ」
「大げさかもしれないけど、人生って、単に楽しいからやるって、それが一番の決め手だよ」