バスクル新宿
大崎 梢
講談社
2021-08-19


「バスターミナルでコーヒーを」出発前に世間話をした女性がサービスエリアでの休憩後、バスに戻ってこずに行方不明に…
「チケットの向こうに」サークルの仲間が部費に手を付けた?!彼の行方を追って張り込もうとすると、調査会社の男が声をかけてきて…
「犬と猫と鹿」中学校から下校すると、警察が家に取り調べに来ていた。彼らはなぜか、落としたはずの修学旅行のお土産を持っていて…
「パーキングエリアの夜は更けて」結婚式からの帰り、バスの中で取り調べが始まった。深夜の高速で起こった事件とは!?
「君を運ぶ」「小学生男児が行方不明」というニュースが目に留まる。その顔に見覚えがあり…

私は北海道に住んでいるので、長距離の移動は飛行機か汽車になります。県境というのがないのでまたぐとなったら飛行機一択。なので、ここまでの長距離バスというのは経験したことがありません。長時間過ごす時間だからこそいろんなドラマが生まれたりするのかなーと思いました。日常ミステリがちりばめられていましたねー。1番最初のお話が特にちょっとミステリっぽかったかも。乗車した人たちとの謎解きはちょっとワクワクしました。大学生のサークル仲間に関しては本当に、純朴な青年が騙されなくて良かったですよ。身近に素敵な友達がいるのに…気づいて良かった。調査会社の方との関係も良かったです。
そして最後の「君を運ぶ」毎回登場した男の子の正体が分かって面白かったです。最後の子なんだろうなとは思いましたけど。ちょっと生意気ででも逞しい子でした。その子の行方を、その子と関わった人たちが探していく雰囲気が好きでした。素敵な物語でした。

<講談社 2021.8>2021.9.28読了