稀代のストーリーテラーが綴る7編、7匹の物語。
時間は有限。出逢いは無限。
『旅猫リポート』外伝2編も収録!
猫の浩太は、一家の長男・浩美と生まれたときからずっと一緒。
もう二十歳を超えるけど、年齢を感じさせないピカピカの毛並みがご自慢。
いつも醤油にひたした肉球で、テーブルクロスにハンコをペタペタ。
さて、念入りな肉球ハンコのわけは――?
きっとあなたの宝物になる。猫とあなたの7つの物語。
旅猫リポートの続編をまた読めるとは思いませんでした。しかも2編。どちらも温かくて優しくて切ない。最初のお話はサトルが子どもの頃に飼っていたハチ目線での物語。サトルの境遇は本当に哀しくて切ないなぁ…。
「猫の島」は「アンマーとぼくら」のスピンオフですね。こちらは既読でした。
ほかでは「シュレーディンガーの猫」「みとりねこ」が好きです。
「シュレーディンガーの猫」は社会不適合者の漫画家が、妻が赤子を連れて帰ってくるのが分かっているのに同じく生まれたばかりの猫を拾って育てる話。この夫婦のやりとりが凄く好きでした。
「みとりねこ」こちらはちょっと切ないお話でしたね…。浩美君が本当にいい子過ぎて…いったいどんな育て方をしたらこんないい子に育つんだ…。
有川さんらしい優しくて素敵な物語でした。
<講談社 2021.8>2021.9.10読了
どの物語も、猫愛に満ちていて、心が温かくなりました。
「シュレーディンガーの猫」の冒頭では「いやいやいや!赤ちゃんと子猫と父親自覚なし男、全部主人公が世話しなくちゃいかんのか?!」と、人ごとながら気が遠くなりかけました(笑)。啓介が成長してくれてよかったわ〜(笑)。
https://mina-r.at.webry.info/202205/article_1