名前も帰る場所もない。では、弟子入り決定です! 少年は、突然現れた黒ずくめの死神から、何故か見習いに採用された。ナナと名付けられ、「あの世」へ向かう契約書にサインをもらうため、死者(クライアント)の許へ──家族を待つ元音楽教師の老女や、バレリーナを夢見てレッスンに励む13歳の少女に胸打たれる。だが、過去の栄光に縋る中年小説家にはさすがに呆れ……。死を前にしても希望を抱く彼らに接したナナは、死神の任務を全うできるのか。
この作品、シリーズで数冊出ているんですね。読んだ後に知りました^^;
でも単体で読んでも十分楽しめました。
最初に死神見習いのナナの登場がなかなか面白かったですね。言動から80年代くらいに生きた人なのか…?とは思いましたが、適応能力が凄すぎて笑いました^^若いって素晴らしい!死んでるけど。
ナナが任されたのはおばあさんに13歳の少女に中年小説家。年齢も性別もバラバラだけど、みんなわりかし死を受け入れるのが早かったですね。女の子は特に結末も含めて切なかったな…
そして小説家のくだりでまさかの展開に驚きました…そう来たか。そして小説家の機転が素晴らしすぎましたね。ラストがまさかの大団円でびっくり!私はこういうラストが好きなので本当に良かったです。
<新潮社 2021.4>2021.9.5読了