片をつける
越智 月子
ポプラ社
2021-03-17


独身の阿紗は、ひょんなことから、隣に住む謎の老婆・八重の部屋の片づけを手伝うことになる。
過去の経験から得た掃除テクニックを八重に教えながら片づけを進める中で、明らかになる八重の過去。そして阿紗も、母子家庭で荒れ果てた部屋に閉じ込められていた幼少期の記憶が蘇ってきてーー。

あらすじが少し気になって手に取った作品。オススメです。とても素敵な作品でした。
第一印象が最悪だった八重。それでも八重の部屋を片付けて関わっていくうちに阿紗にとって八重は特別な存在になっていきます。
阿紗は愛情に飢えていたんだろうなと思います。そして愛に怯えてもいて信用もしていなくて。
変に気を遣うわけでもなく、いても不快を感じなくなっていた2人は相性が良かったのかもしれないですね。八重は八重でなんだかんだ言いながら部屋を片付けてくれる阿紗のことをだんだん気に掛けるようになっていって。最後のあれはずるいですよ。ずるいずるい←泣かされました。
この作品に出会えてよかったです。なんだか無性に部屋の片づけをしたくなりました(笑)

<ポプラ社 2021.3>2021.8.31読了