君と歩いた青春 駐在日記
小路幸也
中央公論新社
2021-07-30


「祈りなんていう非科学的なものが、誰かを救うこともあるんです」
昭和五十二年。元刑事・蓑島周平と元医者・花の夫婦の駐在生活も三年経ち、すっかり村の一員に。だが相変わらず雉子宮には、事件の種はつきないようで――。
冬 水曜日の雪解けは、勘当者
病気で倒れた村長さん。そこに勘当された娘が戻ってきた!
春 月曜日の来訪者は、スキャンダル
世間が芸能スキャンダルに沸く中、村に自称小説家の男が表れて……
夏 日曜日の幽霊は、放浪者
山で度々起きるお化け騒ぎ。その悲しき真相は……
秋 木曜日の謎は、埋蔵金
村に埋蔵金発掘のテレビが! でもそこにはとんでもないものが埋まっていた……。

こちらのシリーズも3冊目ですか。二人が駐在生活を始めてから3年が経ったんですね。
すっかり板についたような気がするのですがどうでしょうか^^まあもともと周平は優秀な刑事だったわけですし、花もお医者さんだったんですからねー。地元の人にとっては安心ですよね。
今回もいろんな出会いがあり、別れがありました。
結びついた縁もあれば離れてしまった愛もありました。
おばけの正体は切なかったし、山に埋められていたものも悲しき歴史が掘り出されることになりました。
生きていればいろんなことがある。でもそう悪いものでもない。そう思わせてくれる作品でした。

<中央公論新社 2021.6>2021.8.4読了