書店員の職を失い途方に暮れる一葉が出合ったのは、言葉と言葉が深いところでつながり連なる「連句」という不思議な場。前の句に寄り添いながら変化していき、あたらしい世界へと至る連句の体験を通して、一番にならなくてもいい自由で豊かな居場所を得た一葉は自分のペースで歩き始めるー。亡き祖母から受け継いだ豊かで穏やかな縁、書店での経験からはじまった思わぬ依頼…。おぼろげに見えてきた未来へと一歩を踏み出す勇気が胸に満ちてくる、かけがえのない物語。
ほしおさんらしい優しい物語でした。このお話のテーマは「連句」恥ずかしながら初めて知りました。俳句や短歌しか知りませんでしたが、一人ではなく別な人と一緒に作り上げていくものもあるんですね。人との関わりが大事になってきますしとても面白そうです。ただ、やはりハードルは高く感じてしまいますが^^;
連句に参加している皆さんもとても素敵な方ばかりでした。そして物語の中でも話されていましたが、世代や境遇がバラバラな人たちが集まるからこそ面白い連句が生まれるのかなと思います。
一葉もここがきっかけでお仕事をもらえることになったわけですし。
新シリーズ始動ということはこの作品も続くのでしょうか。
確かに一葉の今後もとても気になりますし、もっと連句のことも知っていきたいです。
<大和書房 2021.3>2021.6.25読了