「純喫茶トルンカ」は美味しい珈琲が自慢のレトロな喫茶店。東京の下町にひっそり佇む店には、魔法をかけられたようなゆっくりとした時間が流れ、高校生の看板娘・立花雫の元気な声が響く。ある日バイトの修一と雫が店に出ていると、女性客が来店。突然「あなたと前世で恋人同士だったんです」と修一に語りだし…。孤独や悲しみを抱えた人々の心がやわらかくドリップされていく…。ほろ苦くも心あたたまる物語。
3編からなる連作短編集。全ての作品で終盤うるうるしてました。どの作品も本当に良かった…。
「日曜日のバレリーナ」いきなり「前世で恋人同士だったんです」なんて言われたら引きますよね^^;でも、段々と仲良くなって修一と千夏が良い感じになっていて、そして分かる真相。「ちぃちゃん」って言葉を読んだときに涙が出てきました。ちゃんと巡り会えてよかったね…。
「再会の街」トルンカの常連の絢子とおじさん←のヒロさんとの話。2人が本当の親子のようで読んでいて幸せな気持ちになりました。こちらも終盤でうるうるしてしまいました。ヒロさんが幸せを感じられるようになって良かった。
「恋の雫」マスターがヒロさんに上の娘と言っていたので雫にはお姉さんがいるのかと思っていました。でも出てこないなーと思っていたんです。そういうことだったんですね…。雫の初恋は、お姉さんを通しての恋だったんですよねきっと。傍に浩太がいてくれてよかった。
喫茶店から醸し出される雰囲気がとても好きでした。
<徳間書店 2013.11>2021.2.20読了