主人公は、SF作家の牧村朔太郎〈サク〉と、彼を献身的に支えてきた妻・節子。
慎ましく穏やかに日々を過ごす夫婦に、ある衝撃の知らせが突きつけられるところから物語は始まる。
大腸がんに冒された節子の余命は、あと1年――。
動揺し、絶望しながらも節子に事実を告げまいとするサク。
「人は笑うと免疫力が上がる」という医師の言葉を頼みの綱に、1日1編の短編小説を妻に贈ることを決意する。
世界中でたったひとりの読者のために。そして、奇跡が起きた…。

2011年公開の映画。先日WOWOWさんで放送されていたので録画して、今日ようやく見ました。
この映画は僕シリーズで繋がっていたんですね。知らなかったです。
映画開始10分くらいで奥さんが余命宣告を受けて、そこからの約2時間、見ているこちら側も夫婦がお互いに想い合っている気持が痛いほどに伝わってきて、切ないけど幸せな気持ちになれました。
毎日笑って過ごしていれば免疫力が上がる。がん細胞だってやっつけられる。そう考えた朔太郎は、奥さんに1日1話奥さんのためだけに小説を書くことを決めます。それと同時に、奥さんは自分がもう長くないのだと悟ります。気づいちゃいますよね…。優しさが罪になってしまうこともあります。でも、せっちゃんにとっては、大好きな朔の物語を毎日読むことが出来て、毎日笑えて、幸せだったのだと最後まで見ると感じます。
共演陣も豪華でしたね。小日向さんと浅野さんなんて一瞬しか出てきてない!(笑)びっくりしました。
僕シリーズだったからって言うのもあったんでしょうねきっと。
せっちゃんが新しい手袋を編んでいるのに、手先がしびれて身体中に痛みが走るようになって、朔の本を読めない、もっと一緒に生きたかったと母親に泣きながら訴えるシーンからずっと、涙が止まりませんでした。物語が素晴らしくてというのももちろんありますが、竹内さん自身がもういないなんてやっぱり信じられなくて。大杉さんの医者役も本当にぴったり。優しい笑顔がとても印象的でした。でも、大杉さんももういないんですよね。役者さんは作品で生き続ける。そう思っても切なくて哀しくて。物語の余韻に浸りつつそんなことを考えてしまいました。
原作は1度読もうとして映画を見ていないからと止めていました。今度こそ手に取って読んでみたいと思います。