高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。全国配信の料理コンテストで巻き起こった“悲劇”の後遺症に思い悩む蓉。母との軋轢により、“絶対真実の愛”を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津。高校を中退し、“亡霊の街”から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体―。“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。
直木賞、本屋大賞、吉川英治文学新人賞ノミネート作品です。凄いですねー。まだ決まっていない賞レースもあります。どうなるか楽しみですね。
この物語は容、凪津、尚志それぞれの視点で動いていきます。同じ高校が舞台なので人間模様が絡み合っているのも面白かったですね。
高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった時代と書かれていますが、近未来と言う感じもせず、現代の高校生の青春小説と言う感じでした。容と尚志はオルタネートやってないですしね^^;部活動を頑張っていたり、恋愛に悩んでいたり、将来を模索したり、それぞれの思春期ならではの壁にぶつかりながらも自らの足で前に踏み出す姿がキラキラと眩しかったです。
凪津が最初は好きになれなかったですけど、境遇を考えたら仕方がないのかなー。最後は自分なりの幸せの形を見つけられたみたいで良かったです。
容はとにかく真面目なんだろうなーという印象です。根底には父親に認められたいという想いがあったのかな…。夢も恋愛も上手くいくと良いね。
尚志だけは何だかハラハラしながら読んでいましたが^^;とりあえずは道筋が出来て良かったです。
シゲ先生(シゲの事を勝手にこう呼んでいる)の作品、小説は多分全部読んでいると思うのですが、高校生の青春小説まで書かれるとは思いませんでした!面白かった!
どの小説家さんか忘れてしまったのですが「アイドルが小説を書いているんじゃない。小説家がアイドルをしている。」とおっしゃったそうで。この言葉を初めて聞いた時からもう大好きで(でも誰が言ったか忘れた…)最上級の褒め言葉なんじゃないかなと勝手に思っています。それにもう10冊くらい本を出していますよね。これは小説家と言っていいですよね。小説家です。
直木賞は残念でしたけど、本屋大賞と吉川英治文学新人賞はどうかな。
何となく本屋大賞よりも吉川英治文学新人賞の方が可能性があるんじゃないかなーなんて思っています。
<新潮社 2020.11>2021.2.8読了
シゲ先生すごいです!もちろん立派な小説家ですよ〜
もう少し屈折した感じなのかな〜と勝手に思っていたのですが、爽やかな青春群像劇でとても良かったです。もっとオルタネートを掘り下げてくれてもよかったかなと思いました。
主人公と同年代の若い読者さんも楽しめそうな作品ですね。