若き大学教授とその付き人という関係から一歩踏み出し、新たな生活を送り始めた黒猫と私。ある日「本が降ってくる奇妙な夢を繰り返し見る」という女子学生の相談を受けた私は、黒猫と共にその言葉の真意を探り始める。だが、まもなく当の女子学生が詩集に“降られ”昏倒する事件が…巻頭作ほか芸術展への脅迫事件、覆面画家が残した風刺画の真実など、現代アートをめぐる5つの謎に黒猫と付き人が迫る書き下ろし短篇集。

黒猫シリーズ、一体何作目になったんでしょうか。(調べたら8冊目だそう)読み始めたときはこんなに長いシリーズになるとは思っていませんでした。それだけ黒猫と付き人の関係の進展が遅いということですかね?違うか^^
黒猫と付き人という関係から変化した2人。でも関係性は大きくは変わっていないですよね。良くも悪くも^m^以前はじれったさも感じましたが、なんだかんだで想い合っているのはもう分かっているのでそういう気持ちもなくなりました。でも、たまに可愛いことしてくれちゃうと、キュンキュンしちゃいますね。
今回もポオの作品が絡んでいる難易度の高い作品ばかりでした。でも今回は短編だったので読みやすかったです。
現実で問題視されていることや話題になっていることも上手く絡んでいて面白かったです。「本が降る」「鋏と皮膚」「群衆と猥褻」「シュラカを探せ」「贋と偽」
どの作品も面白かったけど、最後の「贋と偽」がカラクリとして面白かったかな。黒猫のお姉さんの昔話の「鋏と皮膚」も面白かったけど、服を皮膚に変えた表現は結構怖かったです^^;
これからも内容は難しくても、黒猫と付き人のふんわりとした関係を見ていたいな。ずっと続いていてほしいシリーズです。

<早川書房 2020.9>2020.11.24読了