人生は苦である、でも死んではいけない (講談社現代新書) [ 岸見 一郎 ]
人生は苦しい。苦しいこともあれば、楽しいこともある、ではなく、本来的に人生は苦しい。でも、それでも死んでしまうのではなく、この事実を認め、受け入れた上で生きていこう。学校でいじめられている人も、会社でハラスメントを受けている人も、死んでしまうのではなく、とにかく生きよう。どんなに孤独に思えても、必ずどこかに「仲間」はいる。だから絶望することなく、希望を持って生きてゆこう。人生を「生きる」ことが、この世に生を受けたすべての人に課された課題だから。仏教、キリスト教、ギリシア哲学―いにしえの知恵をたずね、アドラー心理学などさまざまな思想に学んで築き上げた、総決算としての人生論。
著者さんは「嫌われる勇気」の著者で哲学者です。
以前にも著作を読んだことがありますが、とても分かりやすくて読みやすかった記憶があります。学者の方で読みやすい本を書かれる方を私は信頼していて^^今回も手に取りました。
病や老い、死についてを著者さんの実体験と共にご自身の想いを書かれているのでとても感情移入がしやすいというか、入っていきやすかったです。
特に私は第四章の「有用性」に意味はないが印象に残っています。
「有用性」=経済性は人間の幸福にとっては何の意味もない、でもみんなが縛られていて抜け出せない問題。何かをしたいと思っても、有用性を考えてしまって一歩を踏み出せないということがよくあると思います。私も多分そう。
いい学校に入って、いい大学に行って、いい企業に就職してと親は願ったりするけど、それがきれいにかなったとしても、子どもはそれで幸せになるとは限らない。
親は子供に期待してしまうけど、その期待に応えたからと言って子ども自身がそれで幸せとは限らない。自分の人生は自分のもの。
そして、「将来」が不安でも生きているのは「今」
成功だけが幸福ではないことは私は多分分かっています。でも私にとっての幸福は何なのか、それは分かっていません。私も「有用性」に囚われず、「今」何をしてどう生きていきたいのか、考えていきたいと思いました。でも辛くて苦しくて逃げ出したいと思ったら逃げて「生きているだけで良いんだ」とも素直に思えるようになりたいです。
<講談社 2020.2>2020.11.15読了
凄いペースをキープしての読書&感想レビュー発信、凄いですね!
「学者の方で読みやすい本を書かれる方を私は信頼していて^^」は全く同感です。私のイチ押しは、生物学者の福岡伸一さんですね。本だけじゃなくて喋り・語りも含めると、山中伸弥先生も大好きです。山中センセは人間性が最高です。フルマラソンのベストタイムがほぼ同じなのも誇りです。
まあ、私はずーーーっとリハビリ中とも言え、マラソン復帰はちと無さそうですが、それでも市民ランナークラブはやめていませんし、例会で仲間が周回コースを走る中、逆回り歩きや気持ちトコトコ走&ラスト50mだけスパートを試したりしてます(^^)/