出張料理人さち子は、依頼者の悩みを料理で解決していく。大御所の小説家を喜ばせた意外なレシピ、依頼者の老いた母を元気にした魔法のスープ、異国の来客に戸惑う両親とその息子を救った言葉…。そんなさち子は老舗料亭「花菱」の一人娘だったが、花板である父の死によって最悪の事態に。大好きだった父の味は滅んでしまうのか。
あまり聞いたことがない出版社だなぁと思ったのですが、日清医療食品発行の「美し国」という雑誌に連載されていたお話だそうです。
1つ1つのお話は短いですがぎゅぎゅっと良さが詰め込まれている気がします。
さち子という人が魅力的ですね。色々経験したからなんだろうな…。料理はどれも美味しそう。お金出すから私のうちにも来てほしいです^m^
実際に存在する「一汁一菜でよいという提案」や「さ、めしあがれ。」の料理本も登場するのが良いですね。リアルさを感じました。
あと宮部さんの「火車」も出てきましたね。既読の作品だったので嬉しかったです^^
何度か登場される依頼人もいて、山内永子という作家さんのモデルがご自身だったと読んだ後に知ってなるほどと思いました^^振り込め詐欺に自分のお墓購入、色々経験されていらっしゃる←
さち子自身の話もあって、わだかまりが無くなって良かったです。面白かった。
<潮出版社 2020.6>2020.8.12読了