生活に不満はないけど、不安はある。家事手伝いの岩居久澄は、心のどこかに鬱屈を抱えながら日々を過ごしていた。そんな彼女に奇妙なバイトが舞い込んだ。祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。ただそれだけで一回五千円もらえるという。二つ返事で了承した久澄は、初めての経験に戸惑いながら徐々に芝居の世界にのめり込んでいく。歌舞伎、オペラ、演劇…。どれも楽しい。けれど、久澄には疑問があった。劇場でいつも会う親切な老紳士。あの人っていったい何者…?
あらすじの通り主人公の久澄がバイトで芝居を見に行くので、こちらも観劇しているような気分になりました。自粛状態である今、この作品を読んでいたらますます観劇に行きたくなってしまって困りました^^;そして同時にやっぱり舞台は良いなと思いました。健康第一であることに変わりはないけど、早く観劇したいという想いも強くなりました。
歌舞伎は敷居が高いイメージがあったのですが、安いチケットもある事を読んで知りました。なかなか身に行くのは地方に住んでいると大変ですが、観に行きたいです。
舞台についてももちろん面白かったですが、毎回登場する素敵な老紳士の正体がとても気になりました。
物腰が柔らかく、久澄の言葉をちゃんと聞いてくれる優しい人。パニック障害を患っていても平常心で話せる人であるこの男性が何者なのか。
最後に種明かしがあって良かったです。そして最後の後にもまた物語が生まれそうで、余韻の残る素敵なお話でした。久澄も自分を見つめ直すきっかけにもなっただろうし、私も改めて考えることが多かったです。ありがたかったです(笑)
あー!舞台を観に行きたいなー!!
<徳間書店 2020.1>2020.4.10読了
久澄が少しずつ自分に前向きに向き合うことができる過程が自然に描かれていたと思います。
本当に私も舞台やライブに行きたいですーー(涙)